ABOUT

詩集、文芸書、料理本、食文化、漫画、アート本、写真集など、さまざまな「生きる現場」の本を出版しようとしている、生まれたての出版社です。

【代表挨拶】
独立系出版社、書肆梓(しょし・あずさ)です。

まずは名前の由来からお話します。
「書肆」は、本屋さんという意味です。ちなみに酒屋さんのことを「酒肆(しゅし)」と言いました。
日本で本格的な出版活動が始まったのは江戸の初期。それまでは公的機関や一部の特権階級、家元制度内での秘伝のような「出版」活動はあったものの、いわゆる商業活動としての出版業の始まりが江戸時代でした。
当時は木版印刷だったこともあって、版元が本を作り、書肆=本屋が売るのですが、基本的にこれは一体のもので、いわば企画、編集、印刷製本、卸し、そして販売まで通しでやっていたのが、「書肆」なのです。
ということもあって、21世紀の現在においても、出版社で「書肆」を名乗るところが多いようです。
つまり、書肆梓の「書肆」も、その江戸初期の出版業の始まりに心を寄せて命名しました。
もちろん、わたしたちの書肆梓では、印刷製本も、卸も、販売も、関係各所のみなさまのお世話になっております。
ここ街々書林さんも、大切な仲間の本屋さんです。
ただ、気持ちとしては、印刷製本、取次店、書店というそれぞれのプロの方々と、ひとつのチームとなって、一冊の「本」を読者のみなさまに届けたいという心意気でございます。

さて書肆梓の「梓」ですが、これは代表の個人的な思い入れもありますが、それはさておき、公式的には2つの理由があります。
ひとつは、その昔、出版の板木が硬い梓の木を使ったことから、本を出版することを「上梓(じょうし)する」と言いますが、その「梓」の木から。
もうひとつは、その硬い梓の木は、しなやかで硬いところが弓の素材にもなっていたそうで、そこから、いちど配本した本は返本されることなく、弓矢のように旅立ったらそのまままっすぐに読者のもとへ届けという、思いも加味しております(これも、出版業界では昔からよく口にされる話です)。

そんな「書肆梓」。詩集の出版から始まり、文学・文芸、思想、画本と徐々に範囲を広げています。
これからも、ジャンルにとらわれることなく、「届けたいひとに、届けたい一冊を」作り続けていきます。