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詩集『七つの海』

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2021年5月、決然として世に問うた渾身の第一詩集『その他の廃墟』から3年。
待望の第二詩集が登場。
太古から永遠の未来にわたり七つある海への船出の詩は、すでに不穏な呟きとともに始まりを告げる。

海は太古から、永遠の未来にわたり七つある。火の海に沈もうとする船上、もう港を出ることさえ叶うまい。 呪文のように「七つの海」の名を唱えはじめる宣教師たち...。ドアをノックする音が、いまも止む気配がない。
たくさんの針金に巻きつかれた生活、締め上げられる悲鳴。吐いてきた無数の嘘と唾液。 死ぬことが少しも怖くないというのは、とても大きな罰を受けているように思えるのはどうしてだろう。 作家・佐藤亜紀が『バルタザールの遍歴』のなかで書いている。
「マクベスだろうとロミオだろうと、自業自得でない悲劇などありえない。 全く自分の所為ではない不幸が次々に襲い掛かってくる芝居があったら、抱腹絶倒の大喜劇に違いない...」
『耳泥棒』を読み終えパタンと閉じて、僕は化物のような白い歯を見たようで、嗤いが止まらなかつた。 まるで大喜劇の名俳優が、舞台上で拍手喝采を浴びたような良い気分なのだった。

著者自身による作品の註が別冊(中綴じ8ページ)付き。
☆書肆梓から同時出版される画本(バンド・デシネ)『耳泥棒』(寝暮)は、この詩集に触発されて生まれた作品です。現代詩の極北と画本のスパークもお楽しみいただけます。☆


●目次
石の夜/鉄環/除染後/神の遺書/姉さん/霧月/鍬髪/泥和/カメ女/飛来/敗神/召使の埋葬/凍源/暗喩の深海/動刑(コクピット)/油断せず祈れ/野界/鉄の湖/あくる年、城は/日本資本主義發達史講座/睡蓮鉢にメダカを/片腕の森/捨てられた女、と海/昼魔/廃線の先に/七つの海
(別冊)自註『七つの海』

著者情報
●山内聖一郎(ヤマウチセイイチロウ)
1959年3月鹿児島県生まれ。鹿児島県立鹿屋高等学校卒。詩人。卒業式を待たず東京へ出奔。建築作業員、バーテンダー、店員、 事務員などの職を転々とする。現在は清掃作業員。 詩作歴は50年近いが、40代の時に精神疾患を患い、過去の作品 を全て破棄した。本詩集はその後の作品から抽出し構成されている。第一詩集『その他の廃墟』(書肆梓)。

判型:B6 ソフトカバー
ページ数:120
ISBN 978-4-910260-04-4 C0092

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